古代美術の所有権の範囲は?顔真卿事件(最高裁昭和59年1月20日第二小法廷判決)

【概要】

X(原告)は中国唐代の著名な書家である「自書告身帖」を所有

Y社(被告)はXの前所有者からの許諾を受けこれを撮影した者からの許諾を受けて、

これを用いて自書告身帖を複製してこれを雑誌に掲載した

【判旨】

所有権は有体の物をその客体とする権利であるから

美術の著作物の原作品に対する所有権は

その有体物の面に対する排他的支配権能であるにとどまり

無体物である美術の著作物自体を直接排他的に支配する権能ではないと解するのが相当

 

その排他的支配権能は著作物の保護期間内に限り、ひとりの著作権者がこれを専有するのである

著作権(と所有権)の消滅後は著作物は公有(パブリック・ドメイン)に帰す

そのため何人も著作者の人格的利益を害しない限り自由にこれを利用しうる

自書告身帖は(古代中国の書なので)著作権は現存しないことは明らかであって

Yらが適法に所有権を取得した写真乾板を用いるにすぎず

Xの自書告身帖の所有権(排他的支配)を侵すものではない

判例百選シリーズを購入して学ぶことで

人生の不明なことがかなり明確になります

自身が犯罪や不道徳なことをせずにすむ上に

弁護士の先生に相談するほどのことでないこともまずは自身で考える材料となります

弁護士の先生に相談する際も判例百選で問題となっている部分の過去の判例を読んでから相談するとより納得して深い結論が得られると思います

 

私は医師ですが患者様も自身の疾患に関してはネットなどで調べてから来られます

法律的なことも判例百選シリーズを購入して一読してみると想像以上に多くの見識が得られます

全く分からないけど医師まかせという時代ではないように

全く分からないけど弁護士まかせという時代ではないと考えます