2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

卒業文集の公表は?中田英寿事件(東京地裁平成12年2月29日判決)

【概要】 X(原告)はセリアAのプロサッカー選手 Y(被告)は出版社でありXの中学の学年文集の「目標」と題する詩を書籍で公表 XはYから取材も事前の通知も受けていなかった 【判旨】 公表権侵害を根拠とするXの請求は棄却 公表に関してはすでに中学の段階で…

業務で作ったものの著作権は?宇宙開発事業団プログラミング事件(知財高裁平成18年12月26日判決)

【概要】 X(原告)は人工衛星開発・打ち上げの業務の独立法人Y(被告)の職員 Xga事業団在籍時に作成した11のプログラムが主位的にXが著作権、著作者人格権を有するとして提訴 【判旨】 業務に従事する者が法人の承諾を得て著作物を作成する場合 法人の発意…

ファッションショーの著作物性は?激安ファストファッション事件(知財高裁平成26年8月28日判決)

【概要】 X(原告)はイベント企画会社であり訴外A社の衣装を用いたファッションショーを企画し、Xの許諾を得た訴外B社がテレビチャネルで放送 Y(被告)は放送局でありA社が有するブランドのプロモーションの代理店であり同ファッションショーを40秒間放送…

設計図は著作物か?スモーキングスタンド事件(東京地裁平成9年4月25日判決)

【概要】 D社の依頼に応じてスモーキングスタンドなど インテリア備品の設計図を制作したX(原告)が その設計図を用いたならば製作されるであろう類似品を Y(被告)が製造・販売している 【判旨】 工業製品の設計図は基本的な訓練を受けた者であれば誰でも…

古代美術の所有権の範囲は?顔真卿事件(最高裁昭和59年1月20日第二小法廷判決)

【概要】 X(原告)は中国唐代の著名な書家である「自書告身帖」を所有 Y社(被告)はXの前所有者からの許諾を受けこれを撮影した者からの許諾を受けて、 これを用いて自書告身帖を複製してこれを雑誌に掲載した 【判旨】 所有権は有体の物をその客体とする…